朽ちた百合

  • 2013/08/27

 

この数ヶ月 何となく、この絵の

ぐったりと萎れて朽ちる百合に 深く共感する感じで

新しい絵を 描く気持ちが長続きしなかったのだけど…

 

スクリーンショット 2013-08-28 1.49.50
        「それから」の、人物無しヴァージョン

 
 

この所、エフという古い漫画をアニメ化したのを少しずつ見ていて

つい先日見た回に 胸の中心をぐっと掴まれてしまった。

「走らなければならない理由」

 

…この言葉が、頭にひっかかって ひっかかって。

そして自分の

「描かなければならない理由」として考えてみた時、

ガツンと心が揺れた。

 

そういう時、他からも もの凄くたくさんの

強いことばや情報、映像、ニュースが入ってくる。 溺れそうになる。

でも、そんな強いものがめちゃくちゃに稲光を悲鳴にしながら

ブラックホールの中心に流れていく、みたいな感覚が

たまらなく気持ち良くて 好きだ。

これは、絵を描いてる時の感覚にとても近い状態…

それで、絵を描くことを思い出す。

私を、取り戻す。

 

 

…ときどき、

見失ってしまっても、いいと思ってる。

 

ふわりと頭上を 離れて飛んで行っても、

同じ場所に水分が満ちれば 私だったことを思い出せるから。

 

そして朽ちた百合の花弁を剥いで 種子の詰まった実を振るう。

 

2013.08.27